過去に弁護士が解決した事例をご紹介いたします。
Aさん(20代男性・会社員)は、前方を走行する自動車の後方を、バイクで走行していました。Aさんは、法定速度を遵守し、前方の自動車との距離をあけて走行していました。しかし、前方の自動車は、左折の合図を出すことなく、また、あらかじめ道路の左端に自動車を寄せることもなく、突然、ブレーキをかけるとともに、交差点を左折し始めました。Aさんは、ブレーキをかけるとともに、自動車との接触を避けようとしましたが、前方の自動車との接触を避けることができませんでした。
Aさんは、前方の自動車を運転していたBさんが後方を走行していたバイクに気づかずに巻き込まれた事故だと主張し、バイクの修理費の請求をしました。これに対し、Bさんは、Aさんが猛烈なスピードで後方から追突した事故だと主張しました。双方の主張が平行線となったことから、法律相談に来られました。
Aさんの代理人として修理費の請求をしたところ、Bさんにも弁護士が代理人としてつきました。しかし、示談交渉では折り合いがつかず、解決をするため、やむなく訴訟提起をしました。
裁判所でも、Bさんは、交差点を左折するため、あらかじめ減速し左に自動車を寄せており、事故はAさんが後方から追突したことで生じた事故だと主張し続けました。しかし、弁護士が、交通事故が生じた時刻と同時刻に事故現場で、Aさんと事故状況等の確認をした結果、事故現場付近には街灯が少なく、事故当時の事故現場は非常に暗く、ブレーキを踏んだり左折の合図を出すと、それらの光で事故現場付近が非常に明るくなるため、すぐに分かる状況であることが判明しました。この事故現場の状況を踏まえた報告書の作成、及び、準備書面での主張を行った結果、裁判官は、Aさんが主張する事故態様をベースとした心証を抱き、Aさんの過失割合が20%、Bさんの過失割合が80%の和解案を提示しました。この内容はAさんにとって納得のできるものでした。そして、Bも和解案を受け入れたことで、和解が成立し、解決しました。
Aさんのように、事故の相手方との間で、事故態様に関する主張が食い違うことがあります。ドライブレコーダーなどの映像が有力な証拠となることが多いものの、そのような証拠がないこともあります。このような場合、インターネットで事故現場を確認することで分かることもありますが、Aさんの場合のように、事故当時と同時刻に、事故現場で確認しないと分からないこともあります。
事故態様・過失が問題となっている方についてもお力になれる場合がございますので、思い当たる方は、宇治おぐら法律事務所までお気軽にお問い合わせください。